わたしがチェックインをしている間、ソファーに座ってスマホを操作しながら待つしのぶちゃん。いたって落ち着いている。
これはもう大丈夫だろう。年末のファーストコンタクトからレスポンス抜群で、ここまで来た。この先のレスポンスはどんなのだろうか、期待とナニが膨らんできた。
部屋に入ると、しばらくは会話が続いたが、幾分落ち着いて2人ベッドに腰かけると、たちまち沈黙がはじまった。
どんな姫でもこんな場合はある程度は緊張して迷うのだろうと思っていたから、しのぶちゃんの沈黙は想定内である。
次の行動をどうしようか思案を始めた。
結論から言うと、しのぶちゃんにその気はなかった。たしかに、2回目のデートの後の「考えておきます」の言葉通り考えてくれたようだった。
でも、まだ会って3回目、どうしてもそんな気にはならないのだそうだ。この先も、もっと親密になればそういうこともあるかなというぐらいの考えだそうだ。
もちろん無理にとはいわないよ。しのぶちゃんがその気になってくれればうれしい。それに最初に「あり」って言ったから・・・・・・。わたしの精一杯の言葉だった。
そんな会話の前に、わたしはというと、ベットで横に座るしのぶちゃんの手をにぎり、太ももをさわり、「シャワーしようか」などほざいていた。
その日は、夕方から予定があるという事で、しのぶちゃんが先に部屋を出ていくことになった。「今後こそ落とすから」とハグをして別れた。
1カ月のファンタジーが終わった
しばらく気が付かなかったのですが、しのぶちゃんが部屋を出て、30分ほどすると「今日は楽しかった、ありがとうございました」とメッセージが送られてきていた。
それを受けて「今日は男として残念だったよ」とメッセージを返しました。
もう一度食事デートをして仕切り直しか。明日にでも次のデートの約束をしようと。そう考えていた。メーセージに返信はなく既読にもならなかった。今日は用事があると言っていたからしょうがないかと思っていた。
翌朝、スマホを確認するが、既読になっていない。おかしい、通常半日もスマホを確認しないことなんてないよな。何かあったのかな?
昼過ぎ、既読にならない。そして気が付いた。そうかブロックされたのか。もう連絡しないでということか。
時すでに遅し、その時になって初めて気が付いた。勘違いをしていたのだ。しのぶちゃんの気持ちに寄り添っていなかった。ひどいことをした。申し訳ないことをした。
しのぶちゃんとの1カ月のファンタジーが終わった。それは、スマホではじまりスマホで終わるイマドキの恋でした。
その後、年甲斐もなく失恋した喪失感に襲われました。これをNeoLoveAffairとしておきましょうか。立ち直ったら、だれかまた一杯やりましょうね。